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2011年06月

ヤウレンスキーの肖像

県立美術館に「カンディンスキーと青騎士」を観にいきました。
そこではじめて見つけて、思わず立ち止まったのがこの作品。
gabriel m0174
これは青騎士の主宰者のひとりヤウレンスキーを、カンディンスキーの一時的伴侶ガブリエーレ・ミュンターが描いた作品です。

・・・目が点になって、あらぬ方向を向いています。
すごい色彩と構図。

ヤウレンスキーの初期作品は、色彩も構図も大胆で、自然で、カンディンスキーの初期作品と比較しても優れていたと思います。そのヤウレンスキーは理論よりも感性と技術の人で、芸術家たちによる芸術理論をめぐる談義にはあまりついていけなかったとか。
その「ついてけない」感が画面にでています。

ヤウレンスキーはその後原始的な色彩もそのままに、表現主義的な作品を、生涯を通して描いています。
一方カンディンスキーはご存知の通り、シェーンベルクとの音楽と出会い、一気に天才性を開花させ、「抽象絵画の父」と後世いわれるまでになりました。

ところで、この作品の作者は、カンディンスキーの「伴侶」として紹介されているガブリエーレ・ミュンター。大金持ちの娘で、感性的にも優れていて、小さい美術学校の生徒でした。その学校で教鞭をとっていたカンディンスキー(ロシアに妻を残してきている)と恋に落ち、宗教上の理由で離婚できないカンディンスキーと家を離れ、あちこちの旅先で二人のための家を買い(お金持ちだから)、カンディンスキーの才能と愛に尽くしましたが、結局カンディンスキーはロシアに戻らねばならず、前妻とは別れて若い妻と再婚。一方ミュンターはカンディンスキーを待ち続けます。
その後再会した二人でしたが、愛は復活せず、また別離。
portrait_of_gabriele.jpg
カンディンスキーがミュンターを描いた、唯一の(と書いてありました)写実的肖像作品。
映像にしたら良さそうなお話です。もちろん主人公はガブリエーレ・ミュンターで。

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